2011年6月13日月曜日

(続)大学は出たけれど:韓国大学事情(2)



この特集、なかなか終わらない。
それだけ病巣が大きいということだろう。
大学生が80%となると、手の打ち用がないだろう、と思えてくる。
激化がさらなる激化を生んでいくことになりそうだ。
朝鮮日報からの記事。



記事入力 : 2011/06/13 13:26:44
http://www.chosunonline.com/news/20110613000042

増え過ぎた大学、少子化で危機に直面
高卒者、6年後に大学募集定員下回る

釜山市・慶尚南道地域にある四年制大学の教授は毎年6月になると頭を抱える。
大学入試の随時募集(入試前の募集による別枠選考)の手続きが始まり、教授には新入生を確保するノルマが課されるからだ。
大学側は教授1人に地元高校5-6校を担当させる。
大学職員と共に高校を訪問し、高校の教諭と会う。
この教授は
「高3担当の教諭や進路指導部長に会食費用を渡したり、法人用クレジットカードで接待を行ったりして、学生を入学させてほしいと依頼している。
定員を埋めろという大学側の要請にはあれこれ言っていられない」
と語った。
この大学は学生の定員充足率が70%を下回るや、中国に目を向けた。
中国の学生を誘致するため、今年から中国に教授を派遣している。

韓国全土に大学が乱立し、大学としての基本的条件を備えずに無理に学生を誘致し、問題を起こす大学が増えている。
これには
「大学が学問をないがしろにして、卒業証書を売る商売に転落した」
との指摘も聞かれる。

「大学らしくない大学」が増えたのは、大学が短期間に急増したからだ。
昨年時点で韓国には大学が347校(四年制202校、短大145校)ある。
大学生は332万人で、国民の14人の1人に相当する。
韓国の人口全体に占める大学生数や大学数の割合、大学進学率は世界最高と推定される。
特に四年制大学の場合、1990年の125校から20年間で60%以上も増えた。
しかし、その過程で問題校も出てきた。

1993年に発足した金泳三(キム・ヨンサム)政権は、大学設置認可の審査を緩和する政策を取った。
このため、政権発足前の92年に140校だった四年制大学は、政権末期の97年には180校に増えた。
97年には大学の設置許可制を改め、一定の条件さえ整えれば大学を設置できる「準則主義」を導入した。
当時、政府は大学の自主性拡大、大学間の競争促進を名分に掲げた。

大学設置を容易にしたところ、政治家が地元に大学を設置しようとした。
地元資産家が大学を建て、郡部にも大学が誕生した。
高校卒業者の大学進学率は82%に達した。
1997年以降、四年制大学は年間4校のペースで開校した。

短期間に大学が急増し、大学間で規模拡大競争も起きた。
一部の大学は自己資金で教育に投資を行おうとせず、学生が支払う授業料で校舎を新築した。
研究・教育の質も低下した。
学生の定員充足率が40%を下回る慶尚道地域のある私立短期大学の学生は
「構内の書店も閉鎖され、キャンパスには学生の姿が見えない。
うちの大学に来たいという人がいるならば止めたいと思う。
自分もチャンスさえあれば、編入などで他校に行きたい」
と話した。

大学の設置規制緩和と大学間の過当競争は、最近韓国で社会問題化している貯蓄銀行問題と似ているとの指摘もある。
貯蓄銀行の経営が通貨危機で悪化すると、韓国政府は2000年に「庶民向けの金融を再生する」という名目で貯蓄銀行に対する規制を大幅に緩和したからだ。

少子化の進行に伴い、数年後には韓国の高校卒業生の数が大学定員を下回る見通しだ。
大学の定員確保がこれまでより困難となり、経営に行き詰まることが予想される。

本紙が梨花女子大の朴釘洙(パク・チョンス)教授(行政学)に依頼し推定した結果、6年後の2018学年度には、短期大学を含む大学募集定員(59万人)が高校卒業生数を上回る。
19学年度からは学生の減少ペースが速まり、23学年度には高校卒業生数が四年制大学の募集定員(44万人)を下回る見通しだ。
朴教授は
「大学が差別化と構造調整を図らなければ、数年後には破局を迎えざるを得ない」
と警告した。




記事入力 : 2011/06/13 13:28:53
http://www.chosunonline.com/news/20110613000045

定員割れの大学に年間1300億ウォンの税金投入
67校に対し年間19億ウォン



全羅北道のA大学(4年制)は、入学定員6044人に対し、学生数は1647人にとどまっている。
学生数が入学定員の3分の1にすぎないため、キャンパス内は閑古鳥が鳴いている。
大学本部の隣で建設工事が行われていた学生会館は、工事が中止され、10年にわたって放置されている。
講義室の机にはほこりが積もっていた。
図書館の建物は手抜き工事のため、使用禁止の命令が下されたままとなっている。

A大学の学生Kさんは
「教養科目の数が少ないため、履修登録の際に選択肢がなく、学生寮も空き部屋が多い」
と話した。
大学周辺の商店街も崩壊状態で、インターネットカフェ3カ所は全てシャッターが下りたままだ。
2007年以降の3年間、同大につぎ込まれた国民の税金は9億ウォン(約6700万円)を超える。

全国的に乱立状態にある大学が、学生数の減少によって経営難に陥る中、1年間に1300億ウォン(約96億3100万円)近くもの税金が、定員割れの状態にある四年制大学67校に国庫補助金として投入されていることが分かった。
大学1校当たり、毎年19億ウォン(約1億4100万円)の税金がつぎ込まれていることになる。

本紙が12日、大学情報公開システム「大学お知らせ板」の資料などを分析したところ、補助金の額が公開された67校に対し、09年に投入された国庫補助金はおよそ1276億7800万ウォン(約94億5700万円)に達した。
定員割れの状態にある大学は全国に77校あるが、うち10校は国庫補助金についての情報を公開していない。
入学定員に対する学生数の比率が81.1%となっている、慶尚北道のある私立大は、09年に54億ウォン(約4億円)の補助金を受け取った。

韓国では、大学の定員超過を入学定員の11%まで認めている。
入学定員に対する学生数の比率が100%を超えてこそ、正常な運営が可能になると評価されている。

大学の学費を半額にする制度が全面的に施行され、定員割れの状態にある77校の学生約29万8000人に対し、年間約500万ウォン(約37万円)の補助金が支給されるようになれば、1年間におよそ1兆5000億ウォンの(約1100億円)の金がかかることになる。
経営難に陥っている一部の大学の延命を図るため、莫大(ばくだい)な額の国民の税金がつぎ込まれるというわけだ。
ある私立大の教授は「学齢期の人口の減少により、構造調整が必要な大学に対し、無分別な『学費の半額化』政策を実施した場合、経営難に陥る大学をさらに増やす結果を招きかねない」と指摘した。




記事入力 : 2011/06/13 13:28:10
http://www.chosunonline.com/news/20110613000044

就職厳しい四大卒、6300人が専門大に再入学
就職に有利な技術習得が動機



首都圏のD大学(四年制)経営学科を卒業したチョ・ヨンフンさん(31)は昨年、ソウルの湖西専門学校室内デザイン学科に入学した。
授業料2400万ウォン(約177万円)を払い、D大学の卒業証書を手にした後、再び二年制大学に入学した格好だ。
チョさんはD大学を卒業後、地方の建設会社に就職したが、先行きが暗いと感じ、すぐに退職した。
周囲の人々は職業専門学校への入学を推薦した。
専門技術を学べるだけでなく、就職にも有利だからだ。
チョさんは
「高い授業料を払って四年制大学に通っても、就職や会社業務には全く役に立たない。
後悔している」
と話した。

チョさんのように、四年制大学を卒業後、二年制の専門大学(短大に相当)や専門学校に入学する人が増えている。
韓国専門大学教育協議会によると、四年制大学を卒業後、専門大学を志願した学生は、2008年に4314 人、09年に4984人、10年に6308人と毎年増え続けている。
こうした過程を経て実際に入学した学生も2000年の908人から10年には1535 人に倍増した。

全国大学教育協議会は
「特に看護科、物理治療科など就職に有利な保健分野の学校に四年制大学卒業者が集まっている」
と説明した。

09年の四年制大学卒業者の就職率は68.2%。
これに対し専門大学卒業者の就職率は86.5%だった。
就職時に大学での専攻を生かしたかを示す「専攻一致率」は専門大学が71.0%、四年制大学が65.9%だった。

成均館大のヤン・ジョンホ教授は
「四年制大学を卒業後、就職できずに専門大学に行くのは、4年という時間と数千万ウォン(数百万円)の授業料を無駄にするもので、個人にとっても、社会にとっても問題だ。
自分の適性をよく考えず、単に大学入試の成績に従い『四年制大学に行こう』と進学する学生が多いことが生んだ結果だ」
と指摘した。




記事入力 : 2011/06/13 10:58:48
http://www.chosunonline.com/news/20110613000033

夜10時以降の授業取り締まり、塾側は自習室借りて対応
塾・自習室各2カ所摘発

夜10時以降から深夜にかけて授業をする塾の摘発が始まったのを受け、一部がこれを避け民間自習室を利用、生徒たちに授業を続けていることが分かった。

ソウル市教育庁は
「夜10時前まで塾で授業を行い、10時以降は近隣の自習室で引き続き生徒たちに授業をしていたソウル市江南区の塾2カ所と自習室2カ所を摘発した」
と12日に発表した。

C塾は8日午後10時50分、近くのH自習室に中学3年生40人を連れて行き、自習室で勉強させ、分からない問題があれば講師に質問させる1対1 の補習授業をした。
C塾は、最近利用者が減り経営難に陥っていたH自習室に、月290万ウォン(約21万円)の使用料を支払い利用していたことが分かった。
また、M塾は自前の自習室を設け、午前0時過ぎまで中学3年生約50人に深夜授業を行い摘発された。

市教育庁によると、この二つの塾はいわゆる「英才高校」(ソウル科学高校・京畿科学高校・韓国科学英才学校・大邱科学高校)進学準備専門塾として全国に知られており、今回摘発された深夜授業も、今月26日に予定されている英才高校の入学試験に備えたものだったという。

市教育庁は、M塾に対し違反点70点(午前0時以降の授業40点、無断で変更した場所での授業30点)を科し、塾を閉鎖させた。C塾と自習室2カ所に対しては、それぞれ営業停止14日と7日の処分を下す予定だ。
現在の塾関連法では、違反点66点以上で塾の登録を抹消することになっている。

市教育庁で塾政策を担当するチョン・ジェホン事務官は
「今回の取り締まりは、塾ではなく自習室前に午後10時以降、保護者の車が多数待機しているという情報提供を受けて行った。
深夜授業の取り締まりを避けようという塾の手口はますます巧妙化している」
と話している。

しかし、「学校を愛する保護者の会」のチェ・ミスク代表は
「公教育が不足しているため、(塾などによる)私教育を受けるしかないのが現実。
午後 10時以降の塾の授業を取り締まるのは、実効性がないその場しのぎに過ぎない。
生徒たちが私教育を受けなくても競争力を確保できるよう、公教育を変えなければならない」
と話している。




この特集、まだまだ続くようだ。


記事入力 : 2011/06/15 13:35:13
http://www.chosunonline.com/news/20110615000059

大卒・高卒の賃金格差、50代前半で2倍
授業料高くても大学に行かざるを得ないワケ
まずは高卒・大卒の賃金格差の解消を


2006年にソウル市内のA女子商業高校を卒業したカンさん(24)。
成功したいという夢を胸に、すぐに大企業に入った。
大学を卒業したほかの同僚と同じ、正社員だった。だが、就職して1年でカンさんは後悔した。
「大学に行くべきだった」という思いが頭から離れなくなったのだ。
輸出入を担当する部署に配属されたカンさんの1年目の年収1700万ウォン(約127万円)だった。
ところが、同じ部署で働く同期入社の大卒社員は2800-3000万ウォン(約208-223万円)だったのだ。
最初は「私は(大卒者よりも)かなり年齢が低いから」と自分に言い聞かせていた。
だが、時間がたてばたつほどイライラは募った。
高卒社員はどんなに一生懸命働いても、入社10年を過ぎなければ係長に昇進できない。
大卒社員は入社2-3年でほとんどが係長になった。
給与格差もどんどん広がっていった。

スキルアップのチャンスも与えられなかった。
ファクス送受信などの雑務ばかりさせられ、取引先に会うといった主な業務は大卒社員の役割だった。
カンさんは
「私の仕事はあらゆる面で大卒社員をサポートすることだった。
(自分の人生が)『下働きの人生』のように感じてしまう」
と話した。

カンさんは後にその会社を辞め、ほかの大企業に勤めたが、状況が変わることはなかった。
会社に通いながら今年初め、ソウル市内の四年制大学に入学した。
カンさんは
「すぐに大学に行っていたら3000-4000万ウォン(約223-298万円)の借金をしていただろうが、その金額は大学を卒業すれば 4-5年の会社勤めでためられる。
高卒者と大卒者の格差はこれだけ大きいのだから、誰もが大学に行きたがるのは当然」
と言った。

韓国が「大学生共和国」になっているのは、高卒者と大卒者の賃金・昇進・業務格差があるからだ。
仁川市内の工業高校を05年に卒業したイさん(25)は、家族が引き止めたのにもかかわらず、大学に行かずに小さな電子関連会社に就職した。
「大学を出ても就職が難しいのだから、高い授業料を払ってまで行く必要はない」
と判断したのだ。
だが、現実は違った。
高卒のイさんは月給が120万ウォン(約8万9000円)だったが、同じ仕事をしている四大卒の社員は200万ウォン(約14万9000円)だった。
しかも、同僚との賃金格差は年を追うごとに広がっていった。
イさんは
「高校の時は『一生懸命働きさえすれば、やりたいことをしながら安定した生活ができる』と思っていたが、間違いだった。だからみんな大学に行こうとするのだ」
とため息をついた。
雇用労働部(省に相当)の統計によると、高校を卒業してすぐに入社した社員と大卒社員とでは、50代前半(50-54歳)で賃金格差が2倍になるという。

高卒の勤労者が社会的に無視され、傷つけられるケースも多い。
06年に京畿道南楊州市内の女子商業高校を卒業し、ある企業に就職したソンさん(24)は
高卒だと話すと、『問題児』『貧乏な家の子』と決め付けられ
見下されるのがとてもつらかった」
と話す。

大学授業料が年間1000万ウォン(約74万円)台と高騰しているにもかかわらず、専門系高校(全国692カ所)の卒業生たちは大学を目指している。
専門系高校は産業人材の育成を目標に設立された。
かつての商業高校や工業高校が2000年代半ばから「専門系高校」となった。
社会的偏見を避けるため「商業高校」「工業高校」という名称を使わないようにしたのだ。
しかし、その後も何も変わっていない。
昨年は専門系高校卒業者のうち70%が就職を断念、特別選考などを経て大学に進学した。
ソウル地域の専門系高校の教諭は
「大学の数が増え、3年間ずっと授業中に寝ていた生徒でも大学に合格できるのが現状。
専門系高校には家庭の経済事情がよくない生徒が多いが、大卒でなければそれなりの待遇を受けられないという社会的なムードがあるため、多額の授業料が無駄になっている」
と話した。

延世大学のハン・ジンサン教育学部長は
「学歴間の賃金格差などは、解消しなければならない韓国社会の慢性的な問題。
これが原因で、全員が大学に行く『大学仮需要』問題が深刻化している」
と指摘した。
仮需要とは、実際の需要がないのに生じる需要のことだ。
さらに
「政府は、公企業職員採用時に、大卒者だけを対象とする公募の慣行を打ち破り、率先して模範を示さなければならない。
民間企業でも能力中心の採用や給与体系を積極的に導入すべき」
としている。




記事入力 : 2011/06/15 13:36:03
http://www.chosunonline.com/news/20110615000061
大学授業料高騰、背景に高卒と大卒の賃金格差

大卒サラリーマンと高卒サラリーマンの賃金格差が、過去に比べて小さくなるどころか今なお広がり続けていることが分かった。
雇用労働部(省に相当)が14日に明らかにしたところによると、2002年時点では、高卒1年目のサラリーマンの平均年収は1220万ウォン(現在のレートで約90万 7300円、以下同じ)、同じく大卒は1652万ウォン(122万8500円)で、比率は100対135だった。
ところが09年になると高卒1648万ウォン(約122万5500円)、大卒2436万ウォン(約181万1500円)となり、比率にすると100対148へと拡大した。
高卒と大卒では社会に出て1年目からおよそ50%もの賃金格差が発生しているのだ。

この格差は勤続期間が長くなるほど拡大することも分かった。
韓国の30歳から34歳までのサラリーマンの場合、大卒の年収は平均で3593万ウォン(約267万2000円)だが、高卒では平均2628万ウォン(約 195万4300円)で、大卒者の方が36%多かった。
ところが50歳から54歳になると、大卒は平均6017万ウォン(約447万4600円)、高卒は 3036万ウォン(約225万7700円)で、およそ2倍の差がついた。

このように、年齢を重ねると賃金格差はますます大きくなるため、商業高校や工業高校などの生徒も卒業後に就職せず、大学進学を目指すケースが増えている。
教育科学技術部(省に相当)によると、01年にはこれら実業高校出身者の大学進学率は40.8%だったが、10年には71.1%にまで高まった。

韓国社会でのこのような「大卒者優位」の風潮は、上記のように実業高校の生徒にまで大学進学を目指すように仕向け、その影響で大学が乱立し、授業料が高騰するという悪循環を招いている。

淑明女子大学のソン・ギチャン教授は「大卒と高卒という単純な図式に基づく賃金格差が解消されない限り、過剰な大学進学熱や授業料の高騰といった問題は簡単には解消されないだろう」と予測した。



記事入力 : 2011/06/15 13:37:49
http://www.chosunonline.com/news/20110615000062

韓国の専門系高校卒業生、7割が大学に進学
ドイツは学費無料でも大学進学率30-40%

韓国の専門系高校に通う生徒の大学進学率は70%を超える半面、就職率は20%にも満たない。
「産業人材の育成」という設立趣旨が生かされていない状況だ。
3年間の職業教育を受けた生徒が再び高い学費を払って大学に進学し、ようやく就職できるという高費用構造が固着化している。

教育科学技術部(省に相当)と韓国職業能力開発院が先月公表した統計資料によると、専門系高校の就職率と大学進学率はそれぞれ、2001年の54.7%、40.8%から、03年には44.4%、52.7%と逆転した。

その後、就職率は06年が30.5%、08年が22.5%、昨年が19.2%と急落。
これに対し、進学率は06年が65.1%、08年が 69.8%、昨年が71.1%と上昇を続け、韓国の高校生全体の大学進学率(約80%)に迫っている。
昨年の専門系高校の進学率を類型別に見ると、総合高校が82.7%で最も高く、次いで農業高校(72.1%)、家事・実業高校(71・2%)の順だった。

ソウルのある専門系高校の関係者は
「校内の進路意識調査で、生徒の70%以上が就職ではなく進学を目的に専門系高校に進学したことが分かった。
求人があっても、低賃金の職種や非正社員が多く、生徒が就職を望まない」
と語った。

また、2000年代に入り、各大学がさまざまな入試特別選考を導入したことも、専門系高校卒業生の進学を後押ししている。

一方、職業教育が発達しているドイツは韓国と対照的だ。
ドイツでは小学5年生になると、大学進学を目指すギムナジウム(日本の中高一貫校に相当)と就職のために技術を学ぶ職業学校(レアルシューレ・ハウプトシューレ、シューレは学校の意味)に分かれて進学する。
学費が無料にもかかわらず、大学進学率は30-40%の水準だ。
職業学校の卒業生の80%は3年間の職業教育(アウスビルドゥング)を受け、企業に就職する。

企業で働きながら技術者養成学校(マイスターシューレ)に進学し、教育を受けて国家試験に合格すれば、マイスター(職人)の資格を取得することも可能だ。
特定分野での最高の技術者を意味するマイスターは、給料も高く社会的にも認められている。ドイツの法律では、マイスター資格保持者に限り創業できる業種が41業種ある。

ドイツで法学を学んだ韓国外国語大学・法学大学院のチェ・スンピル教授は
「ドイツでは特定分野に精通したマイスターを尊敬し、信頼する風潮がある。
ドイツの技術力が高い根本的な理由がここにある」
と説明した。


つまり、技術屋あるいは職人が優遇されているかいないかの違いということだろうか。
韓国には「手に職」というのがないのかもしれない。



 『














記事入力 : 2011/06/16 13:42:04
http://www.chosunonline.com/news/20110616000051

地方出身の大学生、年間支出はソウルの学生の2倍
「ソウルの大学に行けば就職もうまくいく」と学費負担

全羅南道順天市の高校を卒業し、昨年ソウルの私立S大学に入学したKさん(21)は、希望していたソウルの大学を、1学期通っただけで休学した。
授業料(1学期当たり400万ウォン=約29万5000円)だけでなく、部屋代や食費、生活費など、月に80万ウォン(約5万9000円)もかかる経費の負担に耐えられなかったためだ。
学生寮への入寮を希望したものの、抽選に漏れた。現在は家賃を抑えるため、保証金(敷金に相当)500万ウォン(約37万円)、家賃50万ウォン(約3万7000円)の狭いワンルームマンションに住んでいる。

Kさんの父親は公務員。2人の姉を大学に通わせるため、すでに約1億ウォン(約738万円)もの借金を抱えている。
400万ウォンの月給は、年老いた両親の扶養、借金の利子の支払い、保険料などに使い果たし、生活費はカードローンに頼っている状況だ。
母親は
「娘は自宅近くにある大学の看護学科に進学し、地元で就職してもらえばと思ったこともあるが、ソウルの大学へ行ってこそ夢をかなえることができると思うと、止めようがない」
と話した。

KさんがS大学に入学してから、これまでに使った金は、年間2036万ウォン(約150万円)に上る。

Kさんと同じ大学に通うソウル出身のLさん(26)が1カ月間に使う金は、昼食代10万ウォン(約7400円)、携帯電話代5万ウォン(約 3700円)、交通費7万ウォン(約5200円)など計25万ウォン(約1万8500円)だ。
両親と一緒に暮らしているため部屋代は必要なく、食費の負担も少ない。
1年間の授業料800万ウォン(約59万円)と生活費を合わせれば、1年間の支出は約1200万ウォン(約89万円)程度だ。
地方出身のKさんの支出は、Lさんの約2倍に達する。

大学の授業料が1000万ウォン(約74万円)に達する中、地方出身の学生やその親たちの負担は大きくなる一方だ。

ソウル市によると、市内51大学(専門大学〈短大に相当〉を含む)の学生27万人のうち、半分以上に当たる14万人が地方出身だという。
だが、ソウル市内の大学の学生寮の定員は1万7500人(地方出身の学生の12.5%)にすぎない。
残る12万2500人(87.5%)のうちの多くは、毎月40 万ウォン(約3万円)-50万ウォンの家賃を払って勉学を続けている。

一方、地方に住む親たちの所得はソウルよりはるかに低い。
統計庁の調査(2009年)によると、1人当たりの個人所得は、ソウル市の1579万ウォン(約117万円)に対し、全羅南道は1110万ウォン(約82万円)でソウル市の70%、慶尚北道は1179万ウォン(約87万円)で同じく74%だ。
このように所得の格差が大きい状況で、地方の親たちは子どもをソウルの大学に進学させるために、ソウル市民の倍もの費用をつぎ込んでいる。
ソウルと地方における所得や資産の二極化現象が、子どもたちの大学進学によってさらに激化しているというわけだ。

2人の子どもをソウルの大学に通わせている大邱市のIさんの場合、年収4500万-5000万ウォン(約330万-370万円)のうち2000万ウォン(約150万円)を学費に費やしている。
子どもたちのために、5000万ウォンの伝貰(チョンセ=高額の保証金を預ければ、その運用益で家賃負担が不要となる韓国独特の賃貸制度)により、集合住宅を確保した。
ソウルにいる2人の子どもたちのために教育費を使う一方、自分の家を買うことはできず、20 坪(約66平方メートル)台のマンションを伝貰で借りて生活している。

全羅北道益山市の高校を卒業し、ソウルの私立K大学に進学したAさん(23)も「金が掛かるソウルでの暮らしはとても大変だ」と話した。
自営業の両親が月50万ウォンの生活費を仕送りしているが、部屋代(月40万ウォン)を払えば、ほとんど残らない状況だ。
平日は大学の学生食堂で働き、週末は家庭教師などのアルバイトをしているが、それでもギリギリの生活を強いられている。
これまでに4学期分の学資金の融資を受け、約1400万ウォン(約104万円)の借金を抱えている。Aさんは
「それでも両親は、ソウルの大学に行けば就職がうまくいく、と言って、ソウルの大学に通わせてくれている。
しかし、就職がうまくいかず、借金だけ残ることになったらどうしよう、という不安感にさいなまれている」
と話した。







記事入力 : 2011/06/16 13:43:05
http://www.chosunonline.com/news/20110616000053

ソウルの大学生、27万人中14万人が地方出身

大邱市で小さな食料品店を営むPさん(55)は、息子と娘を大学へ進学させるに当たって苦悩した。
ソウルの名門私立大に行かせるべきか、あるいは学費が安い慶北大に行かせるべきか、子どもたちと討論までした。
そして、家族が出した結論は、ソウルの私立大へ行かせるというものだった。
現在、Pさんの息子はK大を3年で休学して兵役に就き、娘はH大の3年に在学している。

Pさんは
「慶北大は学費が安く、自宅からも近いため、生活費が掛からないという利点があるが、ソウルの大学に行った方が就職に有利だと判断した」
と話した。

かつて、ソウルの名門私立大と同じレベルとされていた地方の国立大の地位が次第に低下し、地方の優秀な学生たちがソウルに集まるようになった。
現在、ソウルの大学に通う学生27万人のうち、約半数の14万人が地方出身だ。
地方の学生たちがソウルの大学に通うためには、部屋代などを含め、多くの負担を強いられることになる。
彼らが肌で感じる学費などの負担は想像を超えるほどだ。

20-30年前、地方の優秀な学生たちは、釜山大・慶北大・全南大・全北大・忠南大といった地元の国立大に進学した。
1970年代半ばに釜山大に入学したある企業経営者は
「当時は、ソウル大に行けない人は、全南大や釜山大といった地元の国立大に進学したものだ。
大企業に就職し、社会的に成功した同窓生たちも多い」
と話した。

本紙が大学受験情報会社「ETOOS青松教育評価研究所」に依頼し、70年代後半の大学合格者の予備試験(現在の大学修学能力試験=日本の大学入試センター試験に相当)の成績を分析した結果、地方の優秀な学生たちが地元の国立大に集まる傾向がはっきりしていたことが分かった。

例えば、1977年度の入試では、釜山大商学部の合格者の予備試験の平均点は258.5点で、高麗大政経学部(253.3点)や延世大英語英文学科(252.9点)とほぼ同じレベルだった。
また、忠南大社会科学系列の同年度の予備試験の平均点(233.9点)は、梨花女子大文学部(233.7点)と同レベルで、延世大中国語中国文学科(227.3点)をやや上回った。
79年度の慶北大語学・文学系列と全南大商学部・法学部、慶煕大人文科学系列も同じレベルだった。

ところが、80年代以降、地方の国立大が首都圏の大学に押されるようになった。
ETOOS青松教育評価研究所のオ・ジョンウン評価担当役員は
「首都圏と地方の経済的な格差が広がったことで、地方の学生たちがソウルに流入する傾向が強まり、2000年代以降にはさらにその流れが加速した」
との見方を示した。

経済や雇用をめぐって首都圏一極集中が進んだことで、地方の優秀な学生たちが地方の大学を避けるようになり、その結果として地方の大学の地位が低下し、地方の学生たちがソウルに集まる傾向がさらに強まるという状況が展開されているというわけだ。
日本の場合、京都大や大阪大といった地方の国立大が難関校として君臨しているが、韓国の状況はそれとは対照的だ。




記事入力 : 2011/06/16 13:44:37
http://www.chosunonline.com/news/20110616000054

韓国の私立大、寄宿舎は狭き門
入寮できるのは全学生数の10%以下、地方出身学生の5人に1人
一部大学では高額の寄宿舎費が学生を圧迫

地方出身でソウルの大学に通う学生にとって、学校の寄宿舎に入れるのは「幸運」なことだ。
住居費支出を大幅に減らせるからだ。

だが、ソウルにある大学の寄宿舎施設には余裕がなく、地方出身の学生のうち寄宿舎で生活しているのは5人に1人の割合にとどまっている。

本紙が13日、大学情報公示システム「大学アルリミ」を通じ、ソウル市内の私立大キャンパス36カ所の寄宿舎について調べた結果、全学生数に対する寄宿舎の定員(昨年基準)は平均9.65%に過ぎなかった。
これは、ソウルを除く全国の国公立大キャンパス40カ所の平均20.5%はもちろん、私立大キャンパス139カ所の平均19%にも及ばない水準だ。

ソウルにある大学の地方出身学生の割合は52%程度だが、このうち約2割しか寄宿舎に入居できないわけだ。

国公立大の状況もほとんど同じだ。
産業大や教育大を含むソウル市内の国公立大5校でも、全学生数に対する寄宿舎定員の割合は平均13%にすぎない。

ソウル市内の私立大のうち、寄宿舎の定員の割合が0%のキャンパスも4カ所あった。
同徳女子大と西京大には寄宿舎そのものがなく、祥明大の寄宿舎はソウルではなく天安キャンパスにある。

寄宿舎のある大学キャンパスのうち、学生数に対する寄宿舎定員の割合が高いのは、カトリック大第3キャンパス(124.5%)、総神大(63.6%)、長老会神学大(40.7%)、三育大(25.5%)、監理教神学大(21.1%)など、主に宗教系の大学だった。
建国大(20.3%)や成均館大(20.2%)も比較的高い数字を示した。

一方、世宗大(1.5%)、光云大(1.8%)、京畿大第2キャンパス(2.0%)、漢城大(同)、誠信女子大(2.3%)、東国大(3.7%)、中央大(4.5%)、弘益大(5.0%)の8キャンパスは、寄宿舎の定員の割合が全学生数の5%以下だった。

一部の大学では寄宿舎費が高額で、学生は大きな不満を抱えている。ソウル市内にある私立大の3年生で忠清北道出身のキムさん(20)は
「民間が運営する寄宿舎のため、2人部屋で1カ月50万ウォン(約3万7000円)と大学周辺のワンルームより高いため、1学期だけで寄宿舎を退寮した」
と話した。


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記事入力 : 2011/06/18 12:56:53
http://www.chosunonline.com/news/20110618000048

大卒者の割合は世界2位でも教育満足度が低い韓国
IMDの国家競争力報告書
1位はスイス、シンガポールが2位


韓国の大卒者の割合は世界2位だが、大学教育に対する満足度は世界39位にとどまるという調査結果が出た。

国際経営開発院(IMD)が17日に発表した「2011年国家競争力報告書」によると、韓国の大卒者人口の割合(24-35歳の人口のうち、大学卒業者の割合)は58%で、シンがポール(68.3%)に次いで世界2位を記録した。
しかし、大学教育に対する需要満足度は39位だった。
今年の韓国の国家競争力が世界29位だったことを考えると、大学教育の競争力は国家競争力にはるか及ばないということになる。

IMDは毎年、教育、経済成果、政府の効率性、企業の効率性などの分野で競争力を分析し、国家の順位を出している。今年は59カ国を対象に順位を出した。

大学教育に対する需要満足度は、最高経営責任者(CEO)クラスの企業家1000人以上を対象に
「大学教育が競争社会の要求と一致していると考えるか」
という質問をし、回答を点数化して順位を算出する。
そのため、この順位が低いということは、企業家たちが大卒者の教育水準に対して満足していないことを意味する。

今回の調査で、大学教育に対する需要満足度はスイスが1位で、シンガポール、ベルギー、フィンランド、アイスランドがその後に続いた。
米国は11位、ドイツは13位、フランスは31位だった。

韓国開発研究院(KDI)のキム・ヒサム研究委員は
「米国の場合、ウィリアムズカレッジなど、優秀な教授にインセンティブ(報奨)を与える大学が多い一方、韓国の大学は論文を量産することにインセンティブを与えるため、需要者である学生に合った教育の実現が難しい」
と話している。




記事入力 : 2011/06/18 12:53:11
http://www.chosunonline.com/news/20110618000045

低所得層の学生向け奨学金制度を拡大
高麗大学、低所得家庭の学生対象に学費減免
韓国外国語大学は奨学金の比率を20%に拡大

学生の授業料負担を軽減するため、各大学がさまざまな対策を打ち出している。
低所得家庭の学生に恩恵が行き渡るようにする「差等登録金(納付金)制度」や、学生寮の増築計画などを相次いで発表しているのだ。

高麗大学は現在の勉学奨学金制度に、今年は10億ウォン(約7370万円)の予算を投入することにした。
勉学奨学金とは、低所得家庭の学生を対象に、学費の35%から100%を減免する制度だ。
この結果、勉学奨学金予算は総額65億ウォン(約4億7900万円)に規模が拡大し、学生は来学期からこの恩恵を受けられるようになる。
同大関係者は
「現在は成績優秀者に支給される奨学金と勉学奨学金の割合は5対5だが、今後は勉学奨学金の割合を高め、3対 7程度にしたい」
と述べた。

梨花女子大学は今学期から、基礎生活保障受給権者(生活保護受給者)や次上位階層(所得が政府の定める最低生計費の120%以下)家庭の学生を対象に、授業料全額と寮費、さらに生活費として1カ月50万ウォン(約3万6900円)を支給する奨学金制度を導入している。
この奨学金受給者は現在19人だが、同大は来年から30人に拡大すると発表した。
同大関係者は
「今後は成績よりも家庭の所得に基づいて支給する奨学金を増やしたい」
とコメントしている。

韓国外国語大学は昨年、学生が支払った授業料など1418億ウォン(約105億円)の納付金収入があったが、そのうち226億ウォン(約17億円)を奨学金として学生に支給した。
率にすると16%だが、今後ははその比率を20%にまで拡大することを決めた。
同大関係者は
「現在、成績優秀者に支給されている学外奨学金も、今後は低所得家庭の学生により多くの恩恵が回るよう、制度を改善する」
「まずは来学期の追加更正予算(補正予算)を取りまとめ、奨学金の支給幅を拡大する」
と述べた。

弘益大学は来学期から、家庭の所得を基準に授業料の全額免除、あるいは50%減免の制度を新たに設ける。
全額免除対象は100人前後、50%減免対象は2220人とし、計2300人ほどの学生に恩恵が行き渡るようにする予定だ。
一方、これまで低所得家庭の学生を対象に、授業料を90万ウォン(約6 万6000円)から120万ウォン(約8万8000円)減免してきた奨学金制度も、引き続き行うことにした。
同大関係者は
「奨学金の新設に必要な財源は 50億ウォン(約3億7000万円)以上と見込まれているが、これらは授業料収入からではなく、受取り利子などの積立金会計からできるだけ調達する方針だ。
この制度の導入で、2015年までに授業料還元率を35%にまで引き上げたい」
と語った。

釜山の東亜大学は、これまで低所得家庭の学生に支給していた勉学奨学金の支給条件を撤廃することにした。
これまでは奨学金支給の条件として、週5 時間の学内勤労奉仕が義務付けられていたが、来学期からはこの規定が廃止される。
同大関係者は
「低所得家庭学生の授業料負担を軽減する方向で制度を改善したい」
と述べた。

現在、授業料を減免する方向で検討を行っている東国大学と崇実大学も、授業料負担を緩和するための奨学金の拡充と、受給範囲の拡大に向けて協議を行っている。
両校とも来週中には計画の内容について発表したいとしている。

一部の大学は学生寮の新築を開始した。
地方出身者が多いソウルの場合、私立大学寮の学生収容率は平均10%にも満たない。

延世大学の関係者は
「寮の収容率を大幅に拡大する対策を取りまとめている。
その内容について近く発表する予定だ」
と述べた。

中央大学は昨年8月に寮を2棟新築し、収容率を4.5%から11.5%へと大幅に引き上げた。
さらに今年中に1000人を収容できる新たな寮の建設を開始し、来年は収容率を17%台(2000人)に引き上げたいとしている。

漢陽大学も寮の収容率を高めるため、1500人から2000人が利用できる第4学生生活館を建設する予定だ。




記事入力 : 2011/06/20 10:18:32
http://www.chosunonline.com/news/20110620000034

大学教授の月給1万円!? 
ずさんな経営が表面化
康津郡の成和大学、経営側が資金を別の用途に流用

経営不振の大学が全国的に増加する中、教授が十分な給与を受け取れない大学も現れ始めた。

全羅南道康津郡にある成和大学の教授90人は今月17日、給与明細書を見て驚いた。
今月の給与がわずか13万6000ウォン(約1万円)だったからだ。
教授
「大学の経営がずさんで、財政難に陥っていた。
今回は積もり積もった腐敗が表面化したのだ」
と指摘した。

これについて大学側は沈黙を貫いている。
教授側は20日、原因究明に向けて大学側と対策会議を開くことを決めた。

教授たちは
「財団側が大学の運営費を別の用途に流用したため、このような事態が発生した」
と指摘した。
大学側の不正経営によって、金庫が空になったというわけだ。

ある教授は
「今年まで学生の入学者数などに特別な問題はなかったのだから、大学の積立金は十分だったはず。
それでも給与を出せないということは、大学側がカネを別の用途に使ったという証拠ではないか」
と怒りをぶちまけた。

同大学を設立したイ・ヘンギ総長(57)は、教授を採用する見返りに4億ウォン(約3000万円)を不正に受け取った罪と、大学の費用およそ50億ウォン(約3億7000万円)を横領した罪でともに実刑判決を受け、それぞれ控訴審、上告審の最中だ。

教授たちは
「巨額の弁護士費用の出所も疑わしい」
と話す。
ある教授は
「イ総長は学校法人名義の学生寮を売却し、個人の財産にしようとしたほか、大学の資金で建設したゴルフ練習場も私有化した。
月給が激減したのは、不道徳でずさんな経営の結果」
と指摘した。

教育の質も低下した。
大学側がここ2-3年間に不可解な理由で教授十数人を解雇したため、学生はまともな授業を受けられなかった。
解雇された教授の授業を、他の学科の教授が代わりに受け持つこともあった。
ある教授は
「月給1万円しかもらえない教授の講義を受けて、学生の価値も1万円に低下した」
と話した。




給与遅配の成和大、設立者の私財から支給へ

今月、教職員の月給として13万6000ウォン(約1万円)ずつしか支給しなかった成和大学(全羅南道康津郡)が、通常通りの月給を支給する方針を固めた。
成和大の事務処は22日、約120人の教職員全員に携帯メール を送り
「給料の支払いが遅れて申し訳ありません。
設立者の借入金で23日に支給する予定です。
全教職員は学校のために尽力して下さるようお願いします」
と 伝えた。
設立者のイ・ヘンギ前総長が、私費で教職員の給料を支払うという。
同大学は今月17日、財政難を理由に各教職員に月給を13万6000ウォンしか支給せず、物議を醸していた。
教育科学技術部(省に相当)は21日、大学の経営状態や学生の教育状況に対する緊急調査に着手した。




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