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● 広東省の新塘で13日、暴動を警戒し街を巡回する武装警官隊=YOMIURI ONLINE より
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ウオールストリート・ジャーナル 2011年 6月 18日 17:15 JST
http://jp.wsj.com/World/China/node_251433
大規模暴動に悩む広東省―「ハッピー広東」には程遠く
【増城市(中国)】
「ハッピー広東」――中国南部の輸出拠点である広東省で、野心家の共産党トップが唱えたスローガンだ。
今年は「ハッピー・広東」元年になるはずだった。
しかし先ごろ、楽しげなスローガンとはまったく異なる状況が現れた。
広東省のジーンズ製造拠点である増城市と、セラミック生産の中心地である潮州市で、出稼ぎ労働者が政府の建物を攻撃したり、警察車両を横転させるなどの大規模の暴動が発生した。
中国各地では過去1カ月にわたって、同様の暴動が相次いでいる。
広東省の暴動は中国の中央政府指導部に対し、やっかいなメッセージを送ることになった。
広東省の多くはハッピーではなく、危険なまでに不満である、ということだ。
そして、中国で最も豊かで、急速な発展を遂げている、人口の最も多い広東省で起きることは、国内の他の地域が今後進む方向を示すことが多い。
他の都市部でも、一般の人々の怒りは今夏、すでに頂点に達している。
その背景には、あつれきを生む多くの社会問題が噴出し、
「和諧社会 (協調のとれた社会)」
を建設するとした共産党の5カ年計画が妨げられていることがある。
問題の中でも最も顕著な例が、拡大する貧富の差と猛威を振るうインフレだ。
中国人が好む豚肉の価格は1年で54%も上昇した。
しかし、省の指導部は、社会秩序を維持するよう高まり続ける圧力を受けて、中国が直面している最大の課題について中央政府から明確な指導がないまま、決まり文句と暴力の合わせ技で対応している。
この中国最大の問題とは、広東省で始まったものの、活力を失いつつある輸出主導型の経済モデルと中国はどうやって決別するか、である。
痛みを伴うこの変化の最前線にいるのが、「ハッピー広東」のスローガンを作った広東省党委員会書記の汪洋氏だ。
汪氏は、中国共産党中央政治局常務委員会のメンバーの有力候補と目されている。
中央政治局常務委員会は9人のメンバーで構成される中国の最高意思決定機関で、来年、10年に一度の人事交代が行なわれる予定だ。
汪氏は今回の暴動前に行なわれた書面での独占インタビューで、今年1月にハッピー広東」のスローガンを開始したと同時に、広東省の今後5年間の目標成長率を引き下げた理由を説明した。
広東省は今後5年間の目標成長率を年8%に引き下げたが、これに対し、過去5年間の年間の平均成長率は12.4% だった。
汪氏は
「成長の質を少し改善するため、成長に少し時間をかけたい」
と述べた。
さらに
「経済の規模で言えば、私たちはすでにシンガポールを追い抜いた。
しかし、人口一人当たりの国内総生産(GDP)、幸福、社会的文明の点でもシンガポールを抜きたいと考えている」
と語った。
しかし、汪氏は広東省1億400万人の住民—特に2500万人の出稼ぎ労働者—の幸福感をどのように向上させるつもりなのかについては詳細を明らかにすることを控えた。
「幸福」について齟齬(そご)がない定義を示すのに苦労しているようだった。
汪氏はイスラエル人の作家で講演家のタルベン・シャハ-氏の著作「Happier」から引用して、
「いわゆる幸福とは、喜びと意味が交わるところにある」
と主張した。
タルベン・シャハ-氏はスカッシュの元チャンピオンで、かつてハーバード大学で「ポジティブ心理学」のコースを教えた経験がある。
汪氏は幸福の概念を広東省全体に当てはめようとしつつ、
「個人にとって、幸福とは物事をどう受け取るかの問題であり、主観的な概念だ」
と述べた。
「しかし、グループ全体、地域全体にとって、自分たちが幸福であるかどうかを判断するための共通の価値を持つことが、私たちがともに追求し、楽しみ、築くべき人生の状態であり経験である」
汪氏の回答があいまいに終始したことから、広東省にも中央政府にも政策の方向性がないことは明らかだ。
党指導部は中国の今後5年間の目標成長率―多分に象徴的な数字だとみられている―を年7%に引き下げる一方で、「幸福」に焦点を当てて、インフレ、汚職、土地の争奪など社会的関心の高い課題に取組むことを約束している。
今回の暴動は、汪氏にとって都合が悪いタイミングで起きてしまった。
汪氏は中央政治局常務委員会という最強の地位を他の有力候補者と争っている最中だ。
そのライバルの一人が薄熙来氏である。
薄氏は中国南西部の重慶市で共産党委員会書記を務めており、その前任が汪氏だ。
党指導部は、重慶市で革命精神をよみがえらせ、組織犯罪を撲滅するという大がかりなキャンペーンを行なった薄氏を惜しげもなく賞賛した。
指導部の中には、人口3200万人の重慶市が中国の他の地域のモデルであるとさえ言う人物もいる。
汪氏は広東省での取組みでそのような賛辞は受けていない。
広東省は中国のGDPのおよそ11%を占め、広東省の輸出は中国の輸出の3分の1に上る。
中国の経済改革が約30年前に広東省で始まってから、広東省は急速に中国の製造の中心地となったことで、中国を先導する地域とみられていた。
汪氏は経済改革を推し進めようと試みた。
増城市にあるような低価格品を製造する工場の閉鎖や移転の監督、高価格品を扱う製造業やサービス業への投資の奨励、広東省内の都市部と農村部の所得格差の縮小などに取り組んだ。
汪氏の戦略は、労働力も土地もその他のビジネスコストも安い重慶市を含む内陸地域からの競争を原動力としている。
その結果、汪氏によると、広東省の外から流入する出稼ぎ労働者の数は2007年から2010年の間でほぼ200万人減少した一方で、広東省内の農村部から出稼ぎ労働者の数はほぼ250万人増加した。
汪氏は広東省の省都の広州市をさらに国際的な都市へと変貌させた。
広州市では昨年、アジア競技大会が開催され、近未来的なオペラハウスの設計にイラク出身で英国在住のザハ・ハディッド氏の協力を求めた。
しかし、汪氏がシンガポールの「幸福と社会的文明」に張り合う努力をしても、騒動やその他の社会問題で繰り返しかき消されてきた。
その騒動の中心は基本的な公共サービスの多くを受ける資格のない出稼ぎ労働者である。
汪氏に送った質問10問のうち、微妙な問題に関する5問については回答が得られなかった。
この5問の中には、社会問題に対処するために、非政府組織への依存度を高めるつもりがあるかどうかをたずねるものも含まれる。
非政府組織は長い間、党の直接の支配を超えて活動しているものとみられている。
しかし、汪氏は、他の省出身の出稼ぎ労働者への職を減らし、抑制のきかない成長よりも「幸福」に基づいて、高価格産業主導の経済モデルに移行することがいかに複雑であるかについて説明を試みた。
汪氏は、
「産業の転換と向上は困難なプロセスである。
例えて言うなら、湯船の水を入れ換えるには2~3時間あればいいが、大きな貯水池の水を入れ換えるにはおそらく10~15日かかるだろう」
と述べた。
「広東省はどこにも負けないほど巨大な貯水池である。
ほんのわずかな変化が全体の状況に影響を与えかねない」
記者: Jeremy Page
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レコードチャイナ 2011-06-19 15:33:12 配信
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=52167
<広東省暴動>家も財産も持たない出稼ぎ農民=差別的待遇を改めよ―中国誌
2011年6月18日、雑誌・瞭望は、広東省の暴動について取り上げ、出稼ぎ農民の差別的な待遇が問題になったと指摘した。
広東省潮州市、そして増城市と大規模な暴動が続いた。
東南沿海部の農村では既存の住民と出稼ぎ農民との集団衝突事件が起きる頻度が明らかに高まっている。
出稼ぎ農民は収入も低く、社会福祉も劣っている。
地元政府の差別的待遇こそが対立感情の要因となった。
出稼ぎ農民とはいっても、今では既存の住民と人口は逆転している。
もともと人口1000人の村に3~4万人の出稼ぎ農民が住んでいるケースも少なくないのだ。
こうした出稼ぎ農民の中には家族も財産も持たない若者も少なくない。
彼らは昼間働き、夜は刺激を求めて街をさまよう。
既存住民と同様の待遇を出稼ぎ農民にも与えること。
行動が激化する彼らに守るべき家を与えることが対立を緩和するために必要だ。
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レコードチャイナ 2011-06-18 15:01:56 配信
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=52148&type=1
拡大する騒乱=中国各地で暴動、住民と警察の衝突が頻発―香港紙
2011年6月15日、香港紙・アップルデイリーは中国各地で騒乱が広がっていると報じた。
内モンゴル自治区、湖北省利川市、広東省潮州市、広東省増城市と大規模な騒乱が続いている中国。
さらに河南省鄭州市でも暴動が起きた。
同市窪劉村では土地収用の保障をめぐり、5月から村民が抗議活動を続けていた。
ところが12日、数百人の暴徒が突如押しかけ、抗議活動を続ける村民に襲いかかる事件が起きた。
反発した村民約400人が抗議し、警官約1000人が出動する騒ぎとなった。
13日には湖南省長沙市の市庁前で土地収用に反対する抗議デモが起き、約500人が参加した。
ところが同日午後には当局が取り壊しを強行しようとしたため、住民約1000人が集まる一触即発の事態となった。
14日には湖南省婁底市で電力会社が高圧電線塔を建てようとしたところ住民が抗議し、暴力事件に発展した。
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サーチナニュース 2011/06/16(木) 19:38
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0616&f=national_0616_284.shtml
広州暴動収束も厳戒態勢、「出稼ぎ農民の援軍来襲」情報でぴりぴり
広東省増城市で4日間にわたって続いた出稼ぎ労働者による暴動は、現在は沈静化に向かっているが、市内は依然厳戒態勢が敷かれている。
VOA(中国語電子版)などが伝えた。
四川省から出稼ぎに来ている露天商の妊婦が治安要員に暴力をふるわれたことがきっかけとなった暴動は、収束に向かいつつある。
しかし、目撃者によれば、市内の主な通りには多くの警官が派遣され、一部道路は封鎖されているという。
あるブロガーは、最初に暴動が発生した新塘鎮大〓(土へんに敦)村について、
「暴動が起きた広場が封鎖されている以外、店は正常に営業しており、みな普通の生活をしている」
と書いている。
しかし、消防大隊の前には100人以上の武装警察と消防隊員が詰めていて、農業銀行や派出所の前にも警棒と盾をもった警官が大勢おり、一帯は交通規制が行われるなど、依然警戒態勢にある。
また、大〓村とその近くの久裕村では、今回の暴動で破壊による被害を受けたため、一部の住民や店の経営者らは自警団を結成した。
地元当局は13日、夜8時以降の外出禁止令を実施したとされている。
また、香港紙・明報の報道によれば、
「四川省から(出稼ぎ労働者の)応援が来る」
との情報を受けて、当局は急遽、新塘鎮に入る道路で疑わしい車両の検査を実施したという。
一方、当局は今回の暴動による死者は出ていないとしているが、市民の中には懐疑的な見方もある。
前述のブロガーは、
「多くの地元の人が死人が出たと言っている。ただし彼らは実際に見た訳ではなく、証拠写真もない」
としている。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/06/15 10:02:46
http://www.chosunonline.com/news/20110615000031
広東省の大規模暴動、まるで天安門事件
生活苦で不満爆発、各地でデモ頻発
今年7月1日の中国共産党創建90周年を控え、中国国内では物価高や生活苦、地方官僚の腐敗などに抗議する大規模デモが相次ぎ、緊張が高まっている。
南部の広東省広州市郊外の増城市新塘鎮で10日から拡大した地方出身労働者による大規模デモは、暴動の様相を帯び、秩序維持のために軍隊まで投入された。
現地では「1989年の天安門事件を見る思いだ」との言葉も聞かれる。
最近中国で頻発するデモは、昨年末以来のインフレと中小企業の相次ぐ倒産で、地方出身労働者が生活苦にあえいでいることが原因だ。
権力交代期を迎えた政府の対処能力が低下したためではないかとの見方もある。
■警察車両が横転、官公庁を襲撃
新塘鎮一帯での暴動は、10日に路上でジーンズを販売していた四川省出身の妊婦が露天商の取り締まりに遭い、暴行を受けたことが発端だった。
1000人以上の労働者が事件に抗議するデモを行った。
デモ参加者は特に、地方政府が「保護費用」として、毎月数百元を露天商から徴収していることに抗議したという。
デモ発生から3日目の12日には暴動へと発展。
少なくとも警察車両6台と露天商取り締まり車両が放火されたり、転覆させられた。
また、派出所や銀行などが火炎瓶による攻撃を受けた。
明報など香港メディアは、13日午前1時ごろ、広州軍区所属の兵力2700人が秩序維持のため新塘鎮一帯に投入され、1週間の夜間通行禁止など事実上の戒厳令が下されたと報じた。
明報は「市内各地に武装警察や警察の特殊部隊が入った」との香港人の証言を伝えた。
これに先立ち、6日には広東省潮州市で四川省出身の労働者が未払い賃金の支払いを求めたところ、会社側から凶器による暴行を受けたとして、約200人が激しいデモを展開した。
湖北省利川市では9日、再開発事業で住民側の立場を代弁し、市政府と対立した汚職取り締まり担当の公務員が収賄容疑で取り調べを受けている途中に死亡したことに抗議し、市民1500人が市政府前で卵やペットボトルを投げる抗議活動を行った。
■地方出身者と地元住民の対立も
中国では昨年、延べ12万7000人がデモに参加したが、大半は小規模なものだった。
しかし、中国国内での最近のデモは、火炎瓶や時限爆弾が使われるなど激しさを増しており、規模も拡大している。
背景には昨年末から食料品価格や家賃が高騰し、物価高と生活苦が続いていることがある。
広東省で働くある地方出身労働者は
「豚肉など食料品価格と家賃などの上昇が著しい」
と話した。
政府の金融引き締め政策により、中小企業の倒産も相次いでいる。
外地出身の労働者と地元住民との対立も表面化している。
「世界の工場」と呼ばれる広東省一帯には2000万人以上の地方出身労働者が住んでおり、四川省出身者も大きなウエイトを占める。
一方、現地の警察や警備担当者は大半が地元出身だ。
今回のデモで四川省出身の労働者は「差別撤廃」を叫び、地元出身者は自警団を組織し、防衛に乗り出したという。
中国共産党政治局は、年初からのデモ頻発を受け、先月30日に政治局会議を開き、社会的対立の解決と人民の権益保護などを柱とする社会管理体制強化方案を決議した。
しかし、1週間後に広東省で大規模デモが起き、決議の意味は薄れた。
北京大のある教授は
「来年の権力交代期を控え、中央政府の地方掌握力、社会的対立に対する調整能力が低下しているようだ」
と指摘した。
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